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  • 2018.07.12 Thursday
  • 12:35

遠い昔、
目覚めると、
住んでいた官舎の前は一面の銀世界で、
戸惑いながらも、
誰もまだ歩いていない道無き道を、
一歩づつ雪を踏みしめながら学校へ向かったあの頃。

哀しげなあの景色が、
私は子供心に大好きだったことに、
何十年も経ってから、
ようやく気がついている。

また広大な牧草地でたった一人で凧上げをした、
ある年の正月。
凧糸はいよいよそれ以上は無くなって、
もう微かにしか見えないところまで、
風がそれを運んだ、
あの酷寒の中の孤独。
何故だか、
やっぱり心地よさの様な感情が、
記憶の片隅に残っている。

どれだけ暗い子供時代だったのか、
うかがい知れるのはもう疑いもないが、
今の自分と繋がり始めたことを、
認識している自分に、
私は驚きを隠せないでいるのだ。

そう、この真夏の日差しを浴びながら。

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