espresso

  • 2012.06.26 Tuesday
  • 13:40
透き通るような空が青く広がっている。
広島から始まり、東京に戻ってさらに北海道、関西と回った今回の旅は、
あらゆる場面で自分がチャレンジングであったし、
自分なりに設定した様々な目標に深くコミットできたので、
内面的にもとても充実したものとなった。
まずは共演者、メンバー、友人、関わった全ての方々、
演奏を聴いて頂いたすべてのみなさんに感謝の気持ちをお伝えしたい。
みんなのお陰で今日も前進して行ける。

深呼吸して、
まずは濃い珈琲を。。

axis

  • 2012.06.18 Monday
  • 10:28
がらんとした車内、
窓の外、上の方角から射し込む柔らかな陽光が、
天井に不定形な反射を揺らめかせている。
もはや仕事以外で新幹線に乗ることはほとんどないが、
今日の目的がリハーサルだけで、
しかも行き先が大阪以西ともなると気分も少しゆったりとして、
何やら浮かれたような気分になることも許されると決めて、
缶ビールを開ける。

こうして列車はスピードを落すことなく、
時刻通りに駅を通過していくし、
樹々は静かに佇んで、
過不足のない一日が過ぎていくが、
自分が住む国の将来に対する不安は増すばかり。
だからといって何をどうすることも出来ないが、
軸をどこに立てているかだけは、
はっきりさせておこう。

もうじき右手に伊吹山が見えるはず。
















passetic

  • 2012.06.12 Tuesday
  • 12:14
マイアミが辛うじてボストンを振り切った。
7戦目の第4Q、勝利の手綱をたぐり寄せたのは、
Cボッシュだったように思う。 
彼、つまりマイアミのビッグスリーの一角が第4戦まで離脱していたことで、
それまでの試合は拮抗した。
だがボストンはジェームズ、ウェイドの二人はコントロール出来ても、
3人目の彼まではやはり止められなかったのだ。
主力にベテランの多いボストンのディフェンスは、
最後の最後には完全に消耗しきっているようだった。
終了間際、ファイナル進出が絶望的となって、
虚ろに彼方を見つめるボストンのエース、ピアースの眼差しが印象的だった。
思うに、ずっと悲しさが漂っていたカンファレンスファイナルであった。
時代を築いたボストンの栄華が本当に終わりを告げるであろう最終章、
シリーズを通して会場全体は虚しさで満たされていたように思われてならない。
試合が最終の第7戦目までもつれ込んでも、
ボストンセルティックスを包む霧のような悲壮感は、
一向に晴れる気配を見せなかった。
司令塔のロンドが放つ鋭いパスは、
勝つ為ではなく、
まるで次の一時代を新たに構築し直すための高らかな宣言のように繰り出されていた。
反対にマイアミには勝利の天使がずっと寄り添い、
やわらかなその羽根で追い風を送り続けているようだった。
ボストンは桜の花のように、あはれに美しく散っていった。






hydra

  • 2012.06.10 Sunday
  • 10:18
誰かの家の玄関先に真白な紫陽花、
見上げると真っ青な空に、
それを転写したかのような束の間の綿雲が浮かぶ。
日曜日は小鳥のさえずりも冴え渡り、
ベランダの手すりに反射した太陽は細長く背伸びをしている。
それから私は心の状態をゆっくり確かめる。
ネガティブな感情を一つひとつ摘まみ上げては、
その問題が大したことではない理由を自身に説明し、
ひととき白湯を飲み、
このような一日を円滑に進める手続きをいくつか踏んでいく。

そう果実は秋に実る、
焦ってはいけないのだ、ゆっくりでいいよ。

keep alive

  • 2012.06.10 Sunday
  • 01:29
すれ違う無人の回送車、
ホームから見える上り坂の線路、連なる電柱、
雨に潤うこんもりとした森と、
その中に潜む魅惑の暗闇、
巣立つトキ、
息を吹き返す発電所、
高らかに響く能管の音、
深い残響、
はや6月、
必然と偶然の合間を
睡魔が襲う。

 

sado

  • 2012.06.07 Thursday
  • 11:33
行きたい所、
佐渡。
昔の島流しの場所だが、
観世太夫、世阿弥が流されたのち、
能をはじめ、
独特の文化が大いに広がった。
魅かれる所のひとつ。
花伝書に言う、
秘すれば花なり、
花を探し求めて、 
昨日も、今日も。
幽玄の巨杉に会って、
教えを乞うか。

八丁堀からのスカイツリーでは、
もはや距離感は全く掴めない。
都市は麻痺して、
私も麻痺して、
疲弊の後の、
燃えかすと残光、
台風の名残りと、
絡みついた低音。








mondo

  • 2012.06.05 Tuesday
  • 04:47
明日は録音で八丁堀へ、
八丁堀と言えば中村主水、
渋くて好きだった。
普段は昼行灯、裏では腕の立つ仕置き人、
男子にはたまらないあのキャラを、
なんとか地でいくには、さて、
つまり自分に当てはめると、
昼はよりだらし無くて、ベースを弾いたら超一流というわけだが、
思うに我々の先輩にはとにかく演奏が始まるや、
人が変わったように格好良くなる人達が多かったように思う。
主水は悪を許せず、先輩ミュージシャンは手抜きを許さなかった。
そうした彼らの態度は今の自分の形成に少なからず影響を与えていると思う。
より自分らしい音楽を生み出して行こうという、
それがモチベーションになってさえいれば、
音楽家の主水はそう遠くない日に実現出来そうだ。

ジョニー吉長さんが亡くなった。
手も足も出ないくらいオンもオフも完璧だった数少ない先輩がまたひとり旅立った。
イエロー以来のその存在感たるや主水も凌ぐ勢いだった。
シンプルで独特なライドシンバルの余韻が、
ピンク色の風に乗って桃源郷へと飛んで行く。

tempo

  • 2012.06.03 Sunday
  • 11:31
打ち合わせの後、
代官山から渋谷までの道程を歩く、
ヘッドフォンからはクラフトワーク、
三日月はぼんやりと所在なく浮び、
人通りのまばらな明治通りでは、
ストローの中に残るオレンジジュースのように所々で車が渋滞している。
前を歩く、くわえ煙草の白人女の大きなため息、
そして大きな祝祭の終わりを告げるかのような一瞬のクラクション。
何かが反転していくような錯覚と目眩の中で、
無神経に繰り返されるコンピューターワールド2の執拗なパルス。

漆黒の夜空で大きな時計の長針がかちりと進んだ。
ゆっくりと落ちて行くメトロポリスのテンポは、
どうやら誰にも止められない。

proto

  • 2012.06.01 Friday
  • 04:29
その昔、1977年頃の自動車レース、F1の世界で、
タイレルの6輪車が話題となった。
空気抵抗を減らすため、タイヤを小さくし、
接地面積をかせぐ為に前輪を4輪にしたという、
見ると奇抜だが、
その重戦車のようなとてつもない存在感は圧倒的で、
私は小遣いが貯まるとすぐにプラモデルを買いに走ったことを覚えている。
自動車雑誌片手に、華やかに最先端の機能美が展開される、
そんなめくるめくサーキットの宇宙に没入していた頃が懐かしいが、
ところで、このようなレースの世界においても、
望むべき結果を掴む為には、どうやら試作の段階というものが重要らしい。
何度も試作品を作っては失敗を繰り返すことで、
その完成度を上げていく。
あるいは有名な画家でも、
何度も同じ絵を描くことは決して珍しいことではないが、
おそらくこれも試作と呼べるようなに感覚に違いない。
試作品へ施される幾度とない改良は、
机上の理論に確信を与えるのみならず、
自分とその対象をひとつにし、
深い愛着という特別な感情をもたらす。

試作=protoは、
物事への愛情を深めるための、
必要不可欠な通過儀礼に他ならない。



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