fin d

  • 2017.08.21 Monday
  • 13:37

どこまでも続く北陸の稲穗は、
遥か彼方に
つきあげられた拳のような入道雲を背負いつつ、
ようやくもたらされた実りを喜々とした重みで満たしながら、
晩夏の暑い空気に揺らいでいる。
そのうちに雲の隙間はだんだん薄れて、
湿ったガーゼのように空に張り付くのだらう。

またひとつ音の波が、
あの川面をゆらりと通り過ぎていった。
それがどんなシェイプで、
どんな香りを放ったとしても、
咲いてしまった花は、
更にひたすらにどこまでも陽のありかを求め続けるに違いない。

ああ、
表現とはあまりに深く、
あまりに儚い、
瞬きのごとき実存、あるいは幻か。

heavy

  • 2017.08.17 Thursday
  • 23:33


もし母が死んだなら、
きっと泣くんだろう。
ずっと離れていたから、
ひとつの道を刻み続けていても、
理解されるなんて遠い希望?。
そう、失望?。
はるか遠くに峰々は続き、
私は今日も奏でるのだ、
でもそれしか無いなんて、
道端の草花は一体どうなる?。

映画でも登場したあのバンドに、
出戻り、復帰する気配。
以前は軽かったように感じるから、
どっしり構えて、
自身の所在を確かめよう。

漆黒が呼んでいる。

snowtree s

  • 2017.08.08 Tuesday
  • 17:40


極寒とまではいかないけれど北国育ち。
だが樹氷なんて見たこともない。
一生に一度しか見れなかったなら、
それはダイヤモンドにも勝るに違いない。

価値観なんてそれぞれなのに、
資本主義の弊害か、
私達は比較のそれを墓場まで持って行く。

窓際の緑が枯れるまでもがき続けても、
誰からの賛美が無くても、
止めることが出来ない何かがあれば、
救われると信じているのさ。

今日も彼方へ時間が過ぎ行く。
大丈夫、
嵐の向こうに光はまだ失われずにいる。

 

 

 

 

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