eternity
- 2018.01.16 Tuesday
- 21:41
芸能ニュースなんてほとんど見ないのに。
たまたま開くと、 クランベリーズのドロレスが亡くなったと、
絶句。。
あれは、
1996年だったか。
私にとってもバンドにとっても初めての海外ツアーで、
大友良英さんとアルタードステイツが東欧エストニアでのコンサートに出演した時のことだ。
何日か予備日があって、
言葉の全く違う極寒の街をぶらつく以外はホテルで過ごす日々、
東欧の数少ないチャンネルの中にMTVがあって、
短いサイクルで延々と
何組かのアーティストが映し出されていた、
記憶に残っていたのが、
まだ過激な時代のレディオヘッドと、
クランベリーズのLingerという曲だった。
伸びやかな歌声と、
哀しげな独特のこぶしは、
はるかな異国での心細さも相まって、
それからしばらく私の心に密かに深く刻まれることになった。
そうか、
あれから20年以上も経ったのか。
遠くを見つめて歌う若かりしドロレスの声は、
まるで籠から解き放たれた小鳥のさえずりのように美しかった。
私が今もずうっと求めているそれを、
あの時、画面の中の彼女は既に手にしていたのだ。
あゝなんと生の不条理さよ。
まるで新雪の上を歩き続ける、
愚直さゆえに輝く人々に、
どうか光を。